専門職で求められるのは現場経験
弁護士や医師をはじめとして、日本には様々な専門職があります。
このような専門的な職業では、膨大な知識が求められます。
しかし、そのような知識よりも、多くの場合には現場経験が重視されます。
まず、弁護士になるためには司法試験に合格をしなければなりません。
司法試験は、最難関と言われる程に難しい試験です。
そのため、合格するのに必要な知識は広範囲に及び専門性も高いです。
しかし、そのような試験に合格しても、直ちに弁護士として活躍できるわけではありません。
例えば、売買契約は当事者間の合意により成立し、成立と同時に売主と買主は互いに債権債務を持つことになります。
これが民法の原則です。
しかし、実社会においては売買契約を締結した時に、代金の支払い時期や登記の移転時等を決めて契約書を作ります。
そのため、売ってすぐに売主が買主にお金を払って下さいとは言えません。
決めた代金支払い時期を過ぎても払ってくれない場合に、初めてお金を払って下さいと言えることになります。
ところが、司法試験に合格した人の中には、このような常識的に考えればわかるはずのことでも、売買契約成立直後に買主に代金支払請求をしてしまったりする人がいます。
このような請求は後に買主とのトラブルの原因となり、最悪の場合訴訟に発展することもあります。
専門的な事柄を理解していることはとても重要ですが、それ以上に実社会においてどのような流れで物事が進んでいるのかを理解していることが非常に大事になるでしょう。